肝機能異常を指摘された方へ
肝臓が健全に働いているかどうかは、肝機能を調べる血液検査で分かります。肝機能を調べる検査項目はたくさんありますが、健康診断で広く行われているのは、AST(GOT)、ALT(GPT)、γGTPの血液検査です。
γGTPはアルコール性肝障害の指標としてよく知られています。アルコールを毎日たくさん飲む人は、γGTP値が基準値を超えて高くなります。また、γGTP値は胆汁の流れが悪いときにも上昇します。AST(GOT)、ALT(GPT)は肝臓の細胞に多く含まれ、細胞が壊れたときに血液中に出てくる酵素であり、この値が高いことは肝臓の細胞が壊れていることを示します。
いずれかの肝機能異常があれば、禁酒をした上で肝炎ウイルス検査(HBs抗原とHCV抗体を測定)を行うことが大切です。日本での慢性肝疾患の7割がウイルス性肝疾患ですから、肝機能障害がみられたら、まず、肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要があります。 また、肝機能検査値が異常な値を示していても、自分自身で症状を感じることはほとんどありません。しかし、肝機能検査値の異常は「沈黙の臓器」肝臓が発する危険信号です。この状態を放置すると、症状が何もないうちに肝臓の病変が進んで、肝硬変や肝がん等の命をおびやかす病気になる危険性が増しますので、必ず内科を受診して下さい。
肝機能の判定基準
GOT 30IU/L 以下
GPT 30IU/L 以下
γGTP 50IU/L 以下
(日本消化器病学会: 肝機能研究班意見書, 2006)